薪ストーブでいこう!其の参拾壱~煙突掃除マニュアル・後編~

煙突掃除マニュアル後編
いよいよ煙突掃除作業も終盤です。

  1. [室内]で本体部品取り外し
  2. FF

  3. [屋根上]で煙突トップ及び煙突内部の掃除
  4. [屋外]で本体部品清掃
  5. [室内]で本体部品取り付け

難関だった煙突トップの掃除も終わり、いよいよ残すは取り外した本体部品の清掃と組み立てのみ。

しかし、この作業中ショッキング・ピンクな現実に直面するのでした。

3.屋外作業~本体部品清掃~

「1」で取り外した本体内部の部品、バーミキュライトと金属パーツの清掃をします。

薪ストーブでいこう!其の弐拾九~煙突掃除マニュアル・前編~
2016.06.17、千葉の『かわはら薪ストーブ本舗』より、かわはらさんにお越し頂きはじめての煙突掃除を体験しました。 「次年度か...
まず、室内から屋外に敷いたブルーシートの上に金属パーツとバーミキュライトを運びます。

何度も書きますが、くれぐれもバーミキュライトを傷つけないように!(to myself)

2-1.金属パーツの清掃

まずは金属ブラシで金属パーツについた灰を落としていきます。
金属ブラシでパーツ清掃
ゴシゴシゴシゴシ
金属パーツの清掃2

と、ここで金属パーツにサビが出ていることが判明。

金属パーツのサビ

こんな短期間でもサビが発生するんかー。
あ、ここにも。

金属パーツのサビ

かわはらさんによると、

「灰が固まって付着しているところが錆びやすい。灰は湿気を呼びます」

とのこと。

呼ばないで!森へお帰り!

僕が考えていたよりもサビが発生するスピードは早いようです。

かわはらさんによると、

「これ以上サビが進行しないように防錆スプレーを振るので大丈夫です」

とのこと。

2-2.バーミキュライトの清掃

脆いバーミキュライトを傷つけないように、刷毛を使って灰を落としていきます。
バーミキュライトの清掃
パッパッパ
バーミキュライト清掃
ンパッパッパッパ
かわはらさんバッフル清掃
「あ、けっこうダメージ受けてますね」

バッフル(天板部分のバーミキュライト)を清掃していたかわはらさんが言いました。

「え?!そうなんですか??」

「見てください」

かわはらさんの手元をおそるおそる覗き込むと、
バッフルダメージ
みかんの表皮みたいにブツブツになってるぅーーーー

かわはらさんによると、

「薪から出た水分が内部に染み込み、中から劣化した」

とのこと。

れ、劣化!?それも内側から?!それアカンヤーツじゃないの!?
ショショショ、ショーック!!

ショックで軽く放心している僕に

「激しく劣化してますね」

とかわはらさんの追い打ちコンボが炸裂。

ハゲしく劣化・・・に、にまんえんが・・・にま、にま・・・

打ちひしがれていると

「バーミキュライトは形をトドメないほど劣化していなければ大丈夫」

と「ひとまず安心」なお言葉。

良かった。虎の子の500円玉貯金を取り崩さなあかんかと思った。

今後も丁寧に扱うことにします。

それにしても、なぜこんなことが起こるのでしょうか。

かわはらさんによると

  1. 焚く温度が低かったか
  2. 薪が充分乾燥したいなかったか

のどちらかが理由とのこと。

かわはらさんが「焚く温度がひく・・・」

と言った瞬間食い気味に

「お、温度は300度前後でた、焚いてたし!ま、薪もジャンジャン入れてたしっ!!」

と逆上して喚く僕。

そのくらいしっかり温度は上げて焚いてたと思います。

暑すぎてかぁちゃんと小競り合いになることが何度もありましたし。

それを聞いたかわはらさんがストーブの状態を見て、

「そうですね、温度は充分だったと思います。薪が原因でしょうね」

と。

そうかー薪かー。

薪は思い当たる節があるなー。

「煙突掃除までの使用状況」で「薪棚に積んでいた期間は2~3年」と書きました。

期間は間違いないのですが、その大半がこんな状況だったのです。

5.4立米くらい
屋根ナッシング。
https://02house.net/blog/stove/02house1882

「薪棚に積んでいた2~3年の内、”屋根が架かっていなかった”のが2~3年弱」

だったのです。

いや、気にはなっていたんですよ?
かわはらさんがブログでいつも
「屋根!屋根!roof roof!」
と書いてますし。

でもどっかの薪ストブログで

「ずーっと野ざらしにしておいて、焚く2週間前?(だったかな?たぶんそのくらい)に屋根の下に入れた薪を焚くとどうなるか」

という興味深い実験をされているのを読んでいました。

そして、

「よく乾燥した薪と遜色なくよく燃える」

というのがその記事の結果、結論でした。

そのとき

“なるほど、そのくらいの期間でも大丈夫なんや”

と思った僕。

さらにはググッて見つけた

「貯木場では”木を乾燥させるために敢えて丸太を水に浸ける”」

との情報と一緒に脳内プロセッサーに放り込んで処理させた結果、

「屋根ノ 下ニ 薪ヲ 入レル 期間ハ 焚ク 直前デ 大丈夫 デス。ソレヨリモ 雨ザラシ 期間ヲ 長クスルホウガ 乾燥 スルノデス」

との結論が

ガチャガチャガチャガチャ チーン

という音とともに僕のOK computerから弾き出されたのです。

・・・全然アカンやん。

roofていうかfoolやん。

アカンどころか薪から出た水分でバッフルが「激しく劣化」してるやん。

痴漢アカン。

ストーブが壊れちゃう壊れちゃう。

念のためかわはらさんにも確認すると

「屋根の下2週間は短い」

とのこと。

ハイ。
理解しました。

そういえば炉内に入れた薪からジュージューいう音と目視できる水分が見えたことも何度かありました。

薪棚の下、地面に近いところに置いてある薪は特に湿っており、越冬つばめならぬ越冬ゴキブリが何匹もおりました。

6匹駆除したとこまでは数えましたが。

「薪の乾燥」
大事です、今更ながら。

湿った薪はストーブを壊します。

4.屋内作業~本体部品取り付け~

  1. [室内]で本体部品取り外し
  2. [屋根上]で煙突トップ及び煙突内部の掃除
  3. [屋外]で本体部品清掃
  4. [室内]で本体部品取り付け

ちょっとショックを受けながらもバーミキュライト、金属パーツの清掃完了(かわはらさんが)。

残すは4番、元の状態に戻します。

これは取り外したのと逆の手順で組み上げていけばいいだけ。
https://02house.net/blog/stove/02house2916#junban

4-1.金属部品の取り付けとバーミキュライトの取り付け

まずは金属部品から。

部品を炉内に仮置きし、正しい位置・正しい方向を確認します。

かっちり正しく収まれば、炉内で「防錆スプレー」を振ります。
防錆スプレー
ホームセンターで売ってる防錆スプレーなら何でも良いとのこと。
防錆スプレーを振る
室内に油が飛び散らないよう炉内でネ。

金属パーツがきっちり収まれば、外したのと逆の手順でバーミキュライトを丁寧に組み込みます。

4-2.ストーブポリッシュで本体を磨く

最後は外観をキレイにします。

ストーブ使用時はほぼ毎回何らかの料理をしていました。

なので吹きこぼれや焦げがちらほら。

サビになっているところもあります。
吹きこぼれ

まずは金属ブラシ、革漉きを使い表面を傷めない程度に汚れやサビを落とします。
汚れやサビを落とす1
汚れやサビを落とす2

だいたい落ちたら、ストーブポリッシュで磨きます。
ストーブポリッシュ

ストーブポリッシュはHearth & Homeさんで購入出来ます。

RUTLAND ストーブポリッシュペースト

これをボロ布に少量取り全体にうすーく刷り込んでいきます。

ストーブポリッシュは少量を取り、全体にうすーくまんべんなく塗ります。

これを3~4回繰り返し、重ね塗りします。

※一度に大量に塗ると”色ムラ”になり見た目が汚なくなります。

これで煙突掃除作業は終了。

初年度の煤の量は・・・

※煙突から降りてきてすぐ取り出してます。

さぁ、初年度の成績は如何に???

ドゥルルルルルルルルルルル・・・・・・
煤の量

ジャンッ!
茶碗一杯分の煤

ブブーッ、「茶碗一杯分」でしたーーー。

やっぱ薪が良くなかったかなー。

ちなみに煤の量は「優秀な順」に並べると、

ミミカキ一杯分

スプーン一杯分

茶碗一杯分

ドンブリ一杯分

とのこと。

今回は下から2番目、ダメでしたね。

スプーン一杯を目指したいところですが、この冬焚く薪、まだ割り終わってないんですよねねねねねねーーーーー

煙突掃除まとめ

まとめます。

注意事項

  • 風のある日は作業しない
  • しっかり養生する
  • バーミキュライト、金属パーツを外す前に写真を撮る
  • バーミキュライトは慎重に扱う
  • 煙突ダンパーは45度
  • ハシゴの邪魔にならないよう植木を植え替えておく
  • ハシゴは3点固定する
  • チムニートップ固定ボルトは10mm
  • チムニートップ固定ボルトを失くさない
  • 角トップの掃除、煤は「外」から「内」へ集める
  • チムニートップ固定ボルトは締めすぎない
  • バーミキュライトより先に金属パーツを組み付けてスプレー
  • ストーブポリッシュは3~4回うすーく重ね塗り

こんな感じかな。

必要な道具

  • 養生シート
  • 二連梯子
  • 革漉き(スクレーパー)
  • 金属ブラシ
  • 刷毛
  • チムニーボール
  • 10mmのスパナやラチェット
  • 角トップボルトを入れるプラスチックケース
  • 腰袋(道具を入れる)
  • ストーブポリッシュ
  • 防錆スプレー
  • ボロ布
  • ツナギ
  • 命綱
  • 足袋

今回もツナギは着ていましたが、このくらい黒くなります。
ツナギ
お手々もまっくろ。

「命綱」は屋根上で怖い瞬間があったので。

手すりに繋げればより安心。

足袋も同じ理由。

今回はスニーカーで登りましたが、まぁまぁ滑りました。

よし!

こんだけ書いときゃ来年の煙突掃除も安心やろ!

二連梯子は植木屋さんに借りよー。

「煙突トップをキレイにしないと煙突掃除したことにならない」

「道具いらずでストーブばらせるのめっちゃ楽」

「薪ストーブ内部、思った以上にすぐ錆びる」

以上、特に印象に残ったことでした。

(2017年につづく)

煙突掃除に関する記事

https://02house.net/blog/stove/02house2916

薪ストーブでいこう!其の参拾~煙突掃除マニュアル・中編~
煙突掃除作業の続き。 [室内]で本体部品取り外し [屋根上]で煙突トップ及び煙突内部の掃除 [屋外]で本体部品清掃 [室内]...
https://02house.net/blog/stove/02house3015

コメント

  1. Mrうー より:

    掃除大変でしたね

    我が家のヴィンテージのバーミキュライト
    左奥が上下に真っ二つに割れておりますが、今シーズン問題なく使用することができました。
    炉内に収まれば大丈夫だと思います。
    うちのは昨シーズンの使用中にほぼ水平のヒビが入り、シーズン終了後の清掃中に真っ二つになってしまいました。
    今シーズン終了後の煤の量は・・・ドンブリ1杯。・。・。・。・

    焚き方かなぁ

    わが軍は、屋根ついていますので・・・
    屋根つけましたか??

  2. 02 より:

    Mrうー様

    >我が家のヴィンテージのバーミキュライト
    >左奥が上下に真っ二つに割れておりますが、今シーズン問題なく使用することができまし>た。
    >炉内に収まれば大丈夫だと思います。

    実例ありがとうございます。

    今後不注意で割る可能性がそこそこ高い僕としては心強いです。

    >うちのは昨シーズンの使用中にほぼ水平のヒビが入り、シーズン終了後の清掃中に真っ>二つになってしまいました。

    使用中にヒビ入ることあるんですね。

    超高温で焚いていたとかですか?
    500~600度とか。

    バイメタル温度計が溶けるくらいの。

    僕も無理に長い薪を入れてゴンッと当たった時は焦りました。

    >今シーズン終了後の煤の量は・・・ドンブリ1杯。・。・。・。・
    >焚き方かなぁ

    Mrうーさんちのドンブリが子供サイズとかじゃなくてですか?
    味噌汁茶碗より小さいとか。

    サンタクロースが煤をプレゼントしていった可能性も・・・。

    >焚き方かなぁ

    煤の量もそうですが、サビが多く発生していることやバーミキュライトがダメージ受けてることがショックでした。

    玉子が先かニワトリが先かかも知れませんが。

    いや、明らかに煤が先か。

    >わが軍は、屋根ついていますので・・・
    >屋根つけましたか??

    屋根つけました。
    https://02house.net/blog/stove/02house2360

    でも↑の記事につけた写真の日付みたら2月3日。

    ほとんど屋根無しの薪を焚いてたのと一緒ですね。

    これが原因かな。

    今年は約6ヶ月屋根の下に入れてる「予定」の薪を焚きます。
    4月前後に積んだ薪です。

    煤減るんかな。

    膨大な薪棚に屋根つけるのたいへんですねー。

    僕は産まれつき「丁寧さ」が不自由なのでつけた屋根めちゃ汚いです。

    風が吹くとうねりまくります。

    屋根の意味あんのか。