薪ストーブでいこう!其の拾参~ドブレヴィンテージ35を運べ! 編~

ヴィンテージ35をはこべ!
~1日どれくらい呑むかだって?あるだけに決まってるじゃないか?~

スティーブン・キングがアル中時代、カウンセリングを受けた時のセリフです。

“いいエピソードやなぁ”

仏間の布団に寝そべり天井を見上げ、少しズキズキする頭でボンヤリ考えていました。

ヴィンテージ35を運べ!

違和感ゼロ
購入したその日から実家の駐輪場に放置されていたヴィンテージ。

2年の歳月を経たそれは雑然とした風景に違和感なく同化していたのでした。

これを頑張って車に積むのやで!

そもそも人力で持ち上がるのか

ドブレヴィンテージ35は小型に分類されるストーブ。

メトスのサイトには重量125キロとあります。

2年前に軽トラから降ろした時は弟Aに手伝って貰いましたが、スゲー重かった印象だけが嫌な記憶として残っています。

こんどは“持ち上げて積み込む”のでもっとしんどそう。

けどまぁ扉やら天板やらバンラバンラのギッタギタに分解できるようだし、全部外してスケルトン化したら重さ半分近くになったりして?

したら1人でも持てたりして?

してして?

かわはらさんにメールやで!

「薪ストーブ 運搬」で検索しても解説サイトも無いし知恵袋もOKWebも詳しい説明は載ってなかったので、転ばぬ先のかわはらさんにコレクトメール。

もしかしたら普通のワゴン車で運ぶこと自体むつかしいかも知れないし。

実家に着いたあとに

“これ、軽トラじゃないとムリやん・・・”

なんてなったら自爆してしまいます。

かわはらさんからは

“いくらバンラバンラにしても1人じゃリームー、2人はMUST!”

との返信が。

そうかーやっぱムリムリかー。
積むときはオヤジや弟Aに助けてもらうにしても、建築現場で降ろすときが心配だったんですよね。

工藤さんに手伝っていただけることになっていましたが、到着時間によっては最悪一人ちゃうのん?って。

まぁでも時間もないし考えててもしゃーないわよー、ってことでさっそく積み込むことに。

まず指笛を吹いて弟Aを呼び寄せ、猫と一緒に寅さんを観てたオヤジもついでに召喚しました。

あたりはほんのり暗くなってきてきつつあり。

不安に感じながら分解分解

ストーブご開陳
まずは溶け込んだ風景から薪ストーブをトリミングすべく載っかってる掃除道具をオカンがおろし、雨除けカバーを外しご開陳。

カバーを取った瞬間チョロチョロっとチャバネゴキブリの子供が2匹這い出しますが、オカンが足で瞬殺。

2年ぶりのご対面。

よかった、やっぱりドブレやった。

“まさか、よもやよく似たぱちもんストーブが入ってるんちゃうやろな”

2年越しの懸念も消えてなくなりました。

目の前のそれは2年間の熟成を経、色は深みを増し手触りも滑らか、匂いも香ばしくなっています。

まず、ストーブを囲んでいる木枠を外そうとしたのですが、天板に刺さっている釘が抜けません。

僅かな隙間に釘抜きを差し込もうとグリグリしていると、

「ココ叩いたら簡単に取れらいしょ(取れるじゃないですか)」

しゃがんでいた親父が言いました。

木枠柱の下を、ストーブ側からコンコンと叩くと木枠が「スポッ」といとも簡単に抜けるのです。
木枠を外す
”チッ、蛍光灯も満足に交換できへんくせに・・・!”
4人兄妹の長男として家のことなど何も手伝わなくていい環境で育った親父は、DIYとは程遠い人間だったはずです。

でもまぁよく見つけてくれました。
ご褒美に好物の「イカの一夜干し」を口に入れてあげます。

次いで

”持ちやすいようにストーブの方向を変えよらーそうしよらー”

とストーブをずらすことに。

「ホッ!グッ!」
位置を変えようと力を入れて引っ張ってみましたが、まったく動く気配がない。

”えーっ・・・”
ヤな予感を身体で感じながら、それでも親父と二人ズリズリなんとか方向を変えました。

「このままやったら重すぎて運べやんやん(運べないじゃないか)・・・」
郷里に戻り急速に地モティ化した僕は方言でつぶやきながら、取り敢えず外せる部品を外すことにしました。

天板が”載ってるだけ”の初期型と判明

ネットのどこか(かわはらさんのブログか?)で、

”ヴィンテージの初期型は天板が載ってるだけ。新しいタイプはボルトで留まってる”

と見た記憶がありました。

”ボルト外すのめんどくさいから初期型やったらええなー”

と天板を持ち上げると「スッ・・・」と外れました。

ヤッタネ!初期型やいしょ!

扉のイモネジは4mmの六角

扉のネジは4mm
次いで結構重そうな扉を外します。

蝶番のところが六角で固定されているので、弟Aの道具箱をガサゴソ探り六角セットをゲット、順番に当てはめていって4mmがBINGO!

蝶番は3コの六角で固定されていていました。
長さは上から「長い」「長い」「短い」。

裏側(ストーブの中側)からは、表から差し込まれた六角を受けるメスネジのブロックがあります。

これ、絶対なくすな

自他ともに認めるADHDど真ん中の僕はさっそく外した「六角ネジ」と「メスネジブロック」をテープで扉に巻き付けました。

バーミキュライトは、まぁ、写真撮りながら適当に外す

お次は炉内に積まれている断熱材のバーミキュライトを取り外します。

上に持ち上げようとしたら天井にゴッツンコ。
ナナメにしてもリームー。

えーこれ天井ぜんぶ取り外さなアカンのーメンドイなーイヤやなーと天井が留まっているネジをドライバーで外そうとしますが、なんだかとても固く「ここは触ったらアカン!痴漢アカン!」感が満載。

空気を読んだ僕は百恵ちゃんがごとく持っていたドライバーをソッ・・・とステージに置き、改めて炉内のあっちゃこっちゃをベタベタ触っているとありましたありました、バーミキュライトの下にシークレットブーツ的部品が。

早速「奥」「左・右」3つのシークレットブーツを外してバーミキュライトを辱めてやります。

なんか、けど、これ外して元に戻せるんかな、なんや複雑に積まれてるけど・・・・。

バーミキュライト

なんの知識もなく勢いでバイクのエンジンをバラしてオシャカにした僕は、こういう作業はしないほうが良いのです。
人間そうは簡単に変わらないのであります。

百も承知なのであります。

でもまぁどっかにヴィンテージのバッフルバラす動画あったから(メトス名古屋やったかな?)、それ観たら何とかなるやろ。

干支がレミングの僕はポジティブ、というか”何も考えてない”ので、”このまま歩いていると崖から落ちる”とわかっていてもズンズン進むのです。

取り外したバッフルは「プレス機でギューっと圧縮した発泡スチロール」みたいで、すげー脆そう。

浮かびましたね、運搬途中にバッフル破損、またはネジ紛失などでストーブ工事当日に燃焼テストできず、苦笑いして帰るかわらさんのイメージが鮮明に。

フラッシュバックが如く浮かんだリアルな映像の強烈さに思わず立ちくらみ。

よろけてバッフルを踏んづけそうになりました。

いや、マジであり得ます。
ナチュラル・ボーン・注意欠陥障害で、母親のお腹の中に「慎重さ」「丁寧さ」「記憶力」など、大事なものをいろいろ忘れてきた僕ならあり得るのです。

そんな脳みそと38年。

”マジ心配やな~”
ベルトを締め忘れて会社にいったことが2回や3回じゃきかない僕は、沈む夕日に目を細めながら工事の無事を祈ったのでした。

結構軽くなった

取り外した部品
発泡スチロールみたいだったバッフルも、ぜんぶ束ねると結構ズシリと重く、扉・天板・シークレットブーツ(正式名不明)を外してかなり軽くなった感じ。

「ほいたら頼まよー(それでは、頼みますね)」
弟Aに反対方向を持ってもらうと、確かに重いは重いが”なんとかなりそう”。

さきほど感じた「絶望的な重さ」ではなくなっています。

さっそく車をバックで切り替え切り替え駐輪場に突っ込み、弟Aに手伝ってもらいストーブを積み込みます。

積み込み完了

足が固定されている木枠をそのまま積もうとしたので、車の天井にストーブが当たって奥まで入らない。

”うーん、メンドイけどもっかいおろして木枠とるしかないかー”

と思案していると、片手に猫、片手にノコギリを持った親父登場。

ストーブが載ったままトランクの中で猫を片手に木枠を切断した親父、ご褒美にイカをあげます。

切断後奥にグイグイ押して何とか積みこみ完了、前に倒れないよう足をビニル紐で車と固定、後ろに倒れないよう後ろ足の下に切断した木枠をかませます。

現場でストーブを降ろす

移動中は

  • 加減速はできるだけゆるやかに
  • 高速の乗り降りでは出来るだけゆっくり、横Gをかけない

ことを心掛け、ストーブがこけてパッカリ割れる「最悪の未来」を頭の片隅に、ようよう現場に到着しました。

工藤さんと現場の泥水土工房の若い衆に降ろしてもらう

現場には工藤さんの車が止まっていました。

左官工事真っ最中で、たくさんのお職人さんも居ます。

よかった。手伝ってもらえば何とかなりそう。

左官工事をお願いしている門真市の梶原組、泥水土工房の若い衆を工藤さんが呼んでくれます。

紐を外してトランクから引きずり出し、工藤さんと若い衆が持ち上げ、僕が倒れないようにサポートします。

「か、かなりな重さがありますねっ!」

苦しそうな工藤さん。
「だいじょうぶですか?!」と声を掛けながら(ふふふ、重いだろう?)と内心ほくそ笑む僕。
表情を変えない若い衆。

ラッキーにも運ぶ途中車の間を通らなければ行けない箇所があり、支えていた僕は

「あイタタタっ!ココ、ワェ通れまへんわっ、とてもやないけど!あちゃー、すんまへんけどあとはお二人で運んでもらえますやろか?」

とスムーズに離脱することに成功。

口の中で二房のミカンを転がし弄びながら、額から汗を掻き掻き一生懸命運ぶ工藤さんを満足そうに眺めるのでした。

左官の邪魔にならないよう、床板が凹まないよう設置

かなりの重さがあるので、柔らかい杉の床板を凹まさないよう、工藤さんが敷いてくれた板の上にストーブを置きます。

炉台にはまだモルタルが流し込まれていません。

置き場所はたくさんのお職人さんが動きまわる邪魔にならないところ。

やれやれ。

積み込みも搬入も、みなさん手伝っていただきありがとうございました。

助かりました。
搬入完了でやれやれ

ストーブ運搬まとめ

今回の運搬でわかったこと

  • 小型薪ストーブでも運搬には成人男子が最低2人必要
  • 外せるパーツを外せば思った以上に軽くなる(体感20kgくらい?)
  • 中型(150kg以上)~大型(200kg前後)のストーブを今回と同じ方法で運ぶのはムリっぽい

大勢の方に手伝ってもらったとはいえ、かなり大変でした。

中型以上のストーブを運ぼうと考えておられる方は、運搬方法をよく考えられたほうが良いと思います。
マジしんどい。

付属品いっぱいなのは普通?

最後に、箱を開けてみるとおまけが入ってました。
おまけ

  • ドブレマークが入ったミトン
  • 火かき棒
  • カレンダー(2014年)
  • 着火剤

けっこう入れてくれてるなと思いましたが、普通なんですかね?

いまは無くなっちゃったお店ですけど、良心的だったんだな、と今更思ったり。

(備忘録)取り付け日までに用意しておくもの

・扉固定用の4mm六角

(そら続きますよ)

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