この頃はネットの情報収集と同時に雑誌、メーカーのカタログにもたくさん目を通していました。
そんな中、ある雑誌に特集されていた「中庭のある家」に目が止まりその内容に惹きつけられました。
中庭をつくるメリットとして挙げられていたのは
- 風が通り抜ける
- 住宅密集地でも太陽の光が入る
- 外から見えないプライベートスペースができる
などです。
日も射さず時が止まったリビング
ビフォーアフター加藤みどりの大仰なナレーション風にしてみました。
セミも熱中症でフラフラ飛ぶ大阪の8月、マルツ家では朝からリビングに照明がついています。
朝起きて最初にすることはリビングの照明スイッチを入れること。
住宅密集地に立地する平屋で、両隣は2階建、後ろはカベのような土台がそびえ立っています。
山を切り拓いた造成地だからこういう立地なんですね。
お義父さんにきくと、この家が建ったころは周りにほとんど家がなかったそうです。
それから50年のあいだに新しい大きな家がまわりにどんどん建ち、この家は囲まれてしまったと。
2階建てと2階建てに挟まれたらこの家もひっくり返って2階建てになれば良かったんですが。
オセロみたいに。
なので光も入らない、風はソヨとも吹かない。
マルツ家の夏は外より暑い
昔読んだイギリス軍特殊部隊『SAS』について書かれた本の文中に、
”40度近い気温と湿度90%のジャングルで、汗だくの軍服を着たまま睡眠をとる”
訓練がありましたが、この家の夜もまさにそんな感じ。
朝起きた時点で疲れています。
シーツは汗で湿ってるし水道からはお湯が出るし真っ暗だし。
玄関を出ると空気が動いているので外のほうが涼しく感じます。
”家の中で熱中症になる”
ニュースを聞くことがありますが、この家では寝てる間に熱中症になってしまいそうです。
マルツ家の冬は外より寒い
逆に冬は外よりさぶい。
そもそも『断熱材』という概念自体が無い頃の建物です。
木造で窓枠も木、50年の月日を経た家は”土に還ろう”としているのでアチラコチラに歪みとそれに伴う隙間があります。
”床から上がってくる冷気”がどれだけ辛いか、身をもって知りました。
夜中、背中が寒くて目が冷めます。
12畳のリビング(台所も一緒)では、石油ストーブとガスファンヒーターを2台同時に点けています。
最初の記事でも書きましたが、それでも隙間風に熱を奪われ寒いので家の外から窓全体を覆うようにプラスチックボードを打ち付けなんとかしのいでいます。
解決するには「中庭」しかない!!
そこで解決方法として読んだのが冒頭の「中庭のある家特集」でした。
”ゴミゴミした住宅密集地、日も射さず風も入らない狭小立地でも「中庭」を造るだけでアラ不思議!快適な住宅が建てられるのです!”
という論調です。
”そうか、中庭を造れば問題はすべて解決するのか”
短絡的に考えた僕は、この厳しい住環境にサヨナラするため「中庭のあるローコスト住宅」に絞って調べ始めたのです。
コメント
[…] 以前の記事でも書いたように、両隣と後ろを家に囲まれています。 […]