作業はどんどん進んでいきますが、決めなきゃいけないことがまだまだたくさん残っています。
そんななか、工藤さんとの打合せ初期段階から決まっていた数少ない一つが、「断熱材にはセルロースファイバーを使用する」ことです。
セルロースファイバーの施工風景
9月26日に現場見学をしました。
その日は床下にセルロースファイバーを吹き込む作業。
セルロースファイバーは「床下」・「壁」・「天井」に吹き込みます。
この日は「床下」への吹き込み作業でした。
トラックに山積みされたセルロースファイバーを
機械に放り込みまぜまぜしてホースへ圧送し
ホースを伝って送られたアワアワファイバーは床下に詰め込まれていきます。
高性能断熱材「セルロースファイバー」
従来の「グラスウール」や「ロックウール」から、天然系だと「羊毛」や「コルク」など、それぞれ特性のある断熱材があります。
その中でも「セルロースファイバー」は特に断熱性、吸湿性、防音性能が高い素材だそうです。
以前工藤事務所が設計された「セルロースファイバーを施工された」お家で、住人の方にお話をお伺いする機会がありました。
その夏は酷暑でしたが、クーラーを使用したのが1回だけだったとのこと。
その住人の方が「めちゃめちゃ我慢強い」か「想像を絶する寒がり」でない限り、断熱性能には期待出来そうです。
また、「セルロースファイバーで囲まれた中でベルを鳴らしても外に音が殆ど漏れない」というデモキットも見せて貰いました。
子どもが大きくなりドタドタうるさくなるでしょうが、ご近所に対してもちょっと安心ですね。
ちなみにコストは断熱材の中で比較的高価な部類とのこと。
家の大きさにも大きく左右されると思いますが、建坪約13、延床約27、1階と2階が同じ直方体の総二階で55万円でした。
ヒトへの影響が少ない天然系素材
セルロースファイバーの原材料は「古新聞」。
それを粉砕、フワフワにしたものに「ホウ酸」を混ぜるそう。
安全性についても、
1.セルロースファイバーの原材料は古新聞紙♪チャン、チャン
↓
2.新聞の原材料は紙♪チャン、チャン
↓
3.紙は木から出来ている♪チャン、チャン
↓
4.木は自然素材だから安心♪チャン、チャン
テッテレー♪
バンザーイ、バンザーイ。
という四段論法が展開するみたいです。
でも新聞のインクは化学物質ちゃうの?というのと、ホウ酸の正体がイマイチよくわかりませんが、欧米で古くから使われているみたいだし何やら「断熱材で唯一エコマークを取得」しているみたいだからまぁ問題ないのでしょう。
America is No.1.
他の断熱材と比べると一番安全そうだし。
コルクとか羊毛よりも断熱性能高そうだしね。
ホウ酸入ってるからゴキブリや虫も嫌がるそうですよ。
サーモグラフィーカメラによる断熱欠損の確認
セルロースファイバーの施工が終わると、待ち構えていた工藤住環境設計室さんがサーモグラフィーカメラで熱が漏れていないかチェックしてくれます。
チェック作業後に届いた工藤さんのメーリングリストを見ると、
セルロースファイバーの吹込み施工は問題無いです。
下地木部(ユニットバス部分)、基礎パッキン部分(キッチン床部分)に断熱欠損が確認されました。
とのこと。
すわ!断熱欠損?!はわわわそれは一大事!
おもわず脊髄反射で飛び上がりましたが、ようよう続きを読むと
棟梁と打ち合わせをして、欠損部の補強を行います。
ユニットバス部分は板状断熱ボードを貼り付けます。
(材料は工藤住環境設計室のストックを本日現場に搬入済)
キッチン基礎パッキン部分はハウジングコアさんにてご用意頂いたセルロースファイバーを詰め込みます。
言葉の意味はわからないがとにかくすごい早い!
補修材も搬入済。
素晴らしい。
なんかこんな感じの「断熱材詰め詰め写真」がついてました。
すっくり安心したぼくは焦って脱ぎ捨てたシャツを拾いあげたのでした。
こうやって現場での作業チェックと写真付きの報告を逐一してくれるので安心です。
「一緒になって家を造ってくれている」「協力してくれている」のが伝わってきますね。
次回の断熱検査は、サッシ枠施工完了後、石膏ボード貼り前に行います。
とのことで、もう一度断熱欠損チェックをしてくれるそうです。
ぼくたちとしては安心ですが、進行中の現場それぞれでこういう作業をするわけですから、工藤さんもなかなか大変ですね。
工藤さんのところではサーモグラフィーカメラを使ったチェックをしてくれましたが、これは一般的なのでしょうか?
思うに、工藤さん自身がこういう機械が好きなのだと思います。
新しいもの好きというか。
他の案件でもドローン使って空撮してましたし。
ドローンはゼロハリみたいなアタッシェケースに入ってました。
とにかく長のあいだ断熱材とは無縁の生活を送ってきただけに、モコモコでくるまれてしあわせな予感。
(つづっく)