2013年2月15日の金曜日、会社終わりに福見さんと打ち合わせするため事務所に伺いました。
工藤住環境設計室の工藤さん
Google Mapsをセットし天王寺駅からてくてく15分ほど歩き、阪和線の高架が走る横のマンションに着きます。
階段を昇り事務所に入ると
「あとでもう一人来ます」
と言われました。
なんでも以前福見さんの事務所で働いていた方だそうで。
そのときは
”福見さんのアシスタントをする人かな”
と思っただけで、福見さんと前回打ち合わせ時の話を続けていました。
しばらくすると「失礼します」と若い男性が入って来られ、福味さんが
・名前は工藤さんと言って、以前福味さんの事務所で働いていた
・現在は独立して自分の設計事務所を構えている
・「CM分離発注方式」という施工方法を採用している
ことを教えてくれました。
「空手部か柔道部の”副主将”ぽい人」というのが最初の印象です。語尾に”押忍”とかつけそうな感じ。
いまは「手芸部の部長」というほうが合ってると思いますが。
当時はお互い様子を伺っていたんでしょうね。
工藤さんが自己紹介をされたあと、僕も今回家を建てようと考えた経緯を再度話します。
予算か!予算がないのが悪いんかっ!
お互いの挨拶と自己紹介が終わったところで僕の頭に浮かんだのは
「で?!」
福味さんと一緒に働いていた人というのはわかりましたが、ここに来られた理由がわかりません。
”じっ”とこちらの顔を覗きこむその態度!
どうやら福味さんのアシスタントとして来られたのではない感じ。
顔に困惑が出ていたのか、福味さんが
「工藤くんはCM分離発注というやり方で設計をしていまして、今回のお話にはそれがあっていると思ったんですよ」
と仰られます。
え?!何?!福味さんが設計してくれるんじゃないの?工藤さんに変わるってこと?!
バトンタッチ?!下請けに丸投げ(失礼)?!
予算が少なすぎて投げられた?!
福見さんが手を煩わせるほどもない案件で、弟子っ子に”いっちょ腕試しにやってみろよ”と腕組みする師匠的な?!
”予算の少ない一見の客やから少々ムチャしてもええぞ。好きにやってみろ”みたいな?!
おれらの家は練習台?!
疑心は暗鬼をすばやく誘い込みます。
”ここで働きたい!”と意気込んで面接を受けた企業から来た「誠に残念ですが今回はお見送りさせていただきます」の一刀両断メールを読んだ気持ち。
まるで自分の存在意義を全否定されたよう。
辛い記憶がフラッシュバックしてアパシー状態に陥っていると「・・・・式というのはですね、通常」という声で”ハッ”と我に返りました。
工藤さんが何か喋られています。
どうやら「CM分離発注方式」について話されているようです。
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